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山行計画で設定するエスケープルートとは?山登りで入山前に確認すべきこと

山行計画で設定するエスケープルートとは?山登りで入山前に確認すべきこと

2018年の山、標高2018mの飯豊連峰・烏帽子岳について調べていたときに知った、“エスケープルート”という登山用語。
“エスケープ”とは、“逃げる、脱出する、抜け出す”という意味をもった言葉なので、初めて聞いた登山用語でも大体イメージはつきましたが、もう一歩踏み込んで調べてみることにしました。

 

エスケープルートとは?

山登りをする前にいくら万全な体制で臨んだとしても、登山中にケガをしたり、体調を崩したりしてしまうことは十分考えられること。
そのほかにも、天気が急変して悪天候に見舞われたり、当初予定していた登山ルートがあまりにも難しすぎたり・・・
山行を続けられないほどのアクシデントに直面することは想定できることですよね。

そんな不測の事態に備えるために、予定を変更して下山するための予備のルートが“エスケープルート”です。

山行計画において、エスケープルートの設定は登山者の安全を確保するうえで最も重要な要素の一つです。エスケープルートとは、予期せぬ危険や悪天候、体調不良、遭難などの緊急事態が発生した際に、安全に下山や避難するための最適な経路のことを指します。

山に登るとき、安全に下山するための「逃げ道」(エスケープルート)を考えることは、とても大切です。天気が急に悪くなったり、体調が悪くなったり、ケガをしたりしたときに、どうやって安全に山から降りるかを前もって決めておくことが大切なのです。

初心者の方でもイメージしやすいように、エスケープルートとは、まるで非常口のようなものだと考えてください。火事のときに非常口を確認するように、山に登る前に安全な下山路を確認しておくのです。山には複数の下山路があることが多いので、いくつかの「逃げ道」を頭に入れておくと安心です。

例えば、急に雨が降り始めて滑りやすくなったり、体力が尽きそうになったりしたとき、どの道を使って安全に下山できるかを前もって調べておくことが大切です。地図で下山路を確認し、歩く距離や難しさ、近くの避難小屋の場所なども調べておくといいでしょう。

山に登るメンバー全員で、この「逃げ道」の情報を共有することも重要です。みんなが同じ下山路を知っていれば、いざというときに冷静に行動できます。スマートフォンの地図アプリや山の GPS 機器を活用するのも、安全な下山に役立ちます。

初心者の方は特に、経験豊富な人に相談したり、山の情報を詳しく調べたりして、安全な下山路を確認しておくことをおすすめします。山は美しいけれど、同時に危険もたくさんある場所。「逃げ道」を考えることで、安全に山を楽しむことができるのです。

 

エスケープルートの設定について

エスケープルートは、山行計画を行う段階で何パターンか事前に確認しておくべきもの。

危険個所を回避したり、山小屋へ避難する場合のルートなどもあらかじめシミュレーションしておくと安心です。

出典:『山登り語辞典: 登山にまつわる言葉をイラストと豆知識でヤッホーと読み解く

エスケープルートを計画する際に最初に考慮すべきは、山域の地形と地理的特徴です。地形図や最新の登山地図を入念に確認し、可能な限り複数の下山経路を事前に把握しておくことが重要です。急峻な岩場、不安定な斜面、渓谷、沢筋などの地形的特徴を十分に理解し、それぞれの経路のリスクと安全性を綿密に評価する必要があります。

気象条件も、エスケープルートを選択する上で決定的な要因となります。季節ごとの気象パターン、風向き、降水確率、気温変化などを徹底的に調査し、それぞれの経路がどのように気象条件の変化に影響されるかを予測しなければなりません。例えば、夏季の雷雨や冬季の吹雪、霧の発生しやすいエリアなどは、エスケープルートの選択において特に慎重に検討する必要があります。

通信手段と救助体制も、エスケープルートの計画において欠かせない要素です。携帯電話の電波状況、衛星通信デバイスの利用可能性、最寄りの山岳救助拠点までのアクセス、そして緊急連絡先の確保など、様々な通信および救助に関する側面を事前に調査しておくことが求められます。特に、深い渓谷や通信の届きにくい地域では、代替通信手段を準備することが極めて重要です。

体力と技術レベルの評価も、エスケープルートを決定する上で重要な観点となります。登山隊のメンバー全員の体力、登山経験、技術的スキル、そして健康状態を総合的に判断し、それに適したエスケープルートを選択しなければなりません。高度な技術を要する岩稜帯や、体力的に demanding な下降路は、チームの平均的な能力を超えるものであってはいけません。

装備の準備も、エスケープルートの成功を左右する重要な要素です。予期せぬ下山に備えて、軽量かつ機能的な緊急装備を携行することが求められます。ヘッドランプ、非常食、防寒着、救急用品、ロープ、ナイフ、コンパス、地図、予備の通信機器など、緊急時に役立つ装備を常に携帯し、それらの使用方法を熟知しておく必要があります。

エスケープルートの選択においては、地域の山岳遭難の履歴や、過去の事故事例から学ぶことも重要です。地元の山岳会や遭難救助隊、経験豊富な登山者からの情報収集は、潜在的な危険を事前に把握するうえで非常に有効です。特定の山域で過去に発生した遭難事故の詳細を研究し、それらの教訓を自らの山行計画に反映させることが賢明です。

さらに、可能であれば、エスケープルートは常に複数用意しておくべきです。

第一、第二、第三の避難経路を事前に検討し、それぞれの経路の特徴、難易度、所要時間、リスクを詳細に分析しておくことが推奨されます。状況の変化に応じて柔軟に対応できる、多層的なエスケーププランを持つことが、安全な山行の鍵となります。

とくに宿泊を伴うような縦走時には長丁場になるので、「こういう場合はこういうルートで下山する」ということをしっかり確認しておきたいものですね。

 

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