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山の“〇合目”とは?磐梯山の山頂が5合目なのはなぜ?

山の“〇合目”とは?磐梯山の山頂が5合目なのはなぜ?

これまで“山頂=10合目”というのが当たり前だと思っていたのですが、磐梯山に登ろうと調べていたら、磐梯山は“山頂=5合目”だということが判明!

富士山をはじめとする、ほかの名だたる山は山頂が10合目なのに、どうして磐梯山は山頂が5合目になっているのでしょう?

そもそも、登山口に「〇合目」と書かれていると、「あと〇合分頑張れば山頂!」という感覚になりますが、この“〇合目”は一体何を基準に決められているのでしょうか?

標高を単純に10等分しているのか、それとも登山道の距離を10等分しているのか・・・。

今回は、山の“〇合目”という表記について、改めて調べてみることにしました。

山の“〇合目”とは?

山でいう“〇合目”というのは、登山口から山頂までの道のりを10分割したときの区切りのこと。

信仰の山では、登山口を1合目、山頂を10合目に当てているそうです。

ただし、ここでちょっとややこしいのが、「10合目=標高の10分の10」ではないということ。

つまり、標高1000mの山だからといって、標高500m地点が必ず5合目になるわけではありません。

また、登山口から山頂までの距離をきっちり10等分して、1合目、2合目、3合目・・・と設定しているとも限りません。

合目の間は必ずしも均等に分割されているわけではなく、わかりやすい目印がある地点を“〇合目”としている場合もあるとのこと。

山道は、直線の道路のように一定のペースで登っていくわけではありませんよね。

急な斜面があったり、平坦な場所があったり、途中に神社やお堂、山小屋などがあったり・・・。

そうした地形や歴史的な背景などを考慮して、昔から「ここを〇合目としよう」と決められてきたケースもあるようです。

この間、8合目から登った“月山(がっさん)”は、登山口が“月山8合目”になっていました。

⇒【月山】日本百名山・月山山開き!念願の御朱印と百名山バッジ

月山 日本百名山 山形百名山 8合目

ということは、登山口の地点で月山の10分の8まで登っているということになりますよね。

「残り10分の2を頑張って歩こう!」と思えば、モチベーションも上がる気がしませんか?

ただ、実際には「8合目だから残りは山全体の2割」という意味ではありません。

8合目という数字は、あくまでもその山で定められた目安。

「8合目まで来た=山頂まであと2割」ではないということは覚えておいたほうがよさそうですね。

そもそも“合目”はどこから来た言葉?

では、なぜ山の区切りを「合目」と呼ぶのでしょう?

これには、昔の日本における山岳信仰が深く関係しているといわれています。

昔の人にとって、山は単なる観光地やレジャーの場所ではなく、神様や仏様がいる神聖な場所でした。

山の麓から山頂を目指して登っていくことそのものが、信仰上の意味を持っていたわけです。

そのため、山を登っていく過程に「〇合目」という区切りを設けることで、山頂までの道のりを分かりやすく表現していたと考えられています。

「まだまだ山頂は遠いな・・・」と思いながら歩いているときに、「ここまで来れば〇合目」と分かると、精神的な目安にもなりますよね。

現在の登山でも、合目は単なる距離表示というより、「今、自分が山のどのあたりまで来ているのか」を知るための目印として役立っています。

“〇合目”は標高のことではない?

山登り初心者の頃は、わたしも「5合目=標高が半分」と単純に考えていました。

でも、これは必ずしも正しくありません。

たとえば、山頂の標高が2000mだったとしても、登山口が標高1000mなら、標高1000mの地点がすでにスタート地点。

そこから山頂までの標高差1000mを登ることになります。

つまり、合目を理解するときには、山全体の標高ではなく、実際の登山ルートとの関係も考える必要があります。

さらに、登山道はまっすぐ山頂に向かっているわけではありません。

尾根を回り込んだり、谷を越えたり、斜面をジグザグに登ったりするため、地図上の水平距離と実際に歩く距離も違ってきます。

「5合目だからあと半分!」と考えていたら、思った以上に長かった・・・なんてこともありそうですね。

なので、合目表示は登山の進み具合を知るための目安として利用し、実際の所要時間や残りの距離については登山地図などで確認するのがおすすめです。

磐梯山の山頂が5合目なのはなぜ?

磐梯山

ところが、中にはこの常識に当てはまらない山もあります。

山頂を5合目としている“磐梯山(ばんだいさん)”です。

どうしてなのか、その理由ははっきりとは分かりませんが、以下のような諸説があるようです。

磐梯山は、福島県を代表する山のひとつ。

会津盆地側から見ると美しい三角形の山容をしていることから、「会津富士」とも呼ばれています。

そんな磐梯山の山頂が「10合目」ではなく「5合目」とされているのですから、初めて知ったときにはかなり不思議ですよね。

①磐梯山は富士山の約半分の標高だから

磐梯山は、会津盆地側から見るとキレイな三角の山容をしていることから、別名、会津富士(あいづふじ)とも呼ばれています。

磐梯山の標高は1816mで、富士山の標高3776mの約半分。

このことから、磐梯山の山頂=富士山の5合目に値するとして、山頂が5合目とされた説があります。

会津富士と呼ばれる磐梯山と、日本を代表する富士山。

その標高を比べてみると、確かに磐梯山は富士山のおよそ半分。

「だから山頂が5合目」というのは、なんともユニークな考え方ですよね。

ただし、これはあくまでも諸説のひとつ

これだけが正解と断定できるものではないようです。

②何度も噴火を繰り返し、標高が約半分になったから

磐梯山は、過去に度重なる噴火活動を繰り返し、現在の姿になっています。

噴火する前は、標高3000mを越える山であり(真偽は不明)、現在の山頂はもともとの標高の5合目程度であるとして、山頂が5合目とされた説がひとつ。

磐梯山といえば、1888年の大噴火が有名ですよね。

現在の磐梯山の山容や周辺の地形にも、過去の火山活動の影響が色濃く残っています。

「昔はもっと高い山だった」というイメージから、現在の山頂を5合目とする考え方が生まれたのかもしれません。

とはいえ、こちらも「なぜ山頂が5合目なのか」を説明する諸説のひとつ。

山の歴史を知っていくと、単に「変わった山頂表示」というだけではなく、火山としての磐梯山の成り立ちにも興味が湧いてきますね。

③夜間に修験道を登る際、灯火に必要な油の量が約半分だったから

昔、磐梯山から吾妻山までの道が修験道だった頃、夜間の灯火に必要な油の量が約半分(5合目分)だったという説。

山岳信仰と関係の深い「合目」らしい、なんとも興味深い説です。

昔の登山は、現在のようにヘッドランプを持って歩くわけではありません。

夜間に山を移動するのであれば、灯火を確保するための油も必要になります。

現在の登山者からすると、「油の量で山の合目が決まるの?」とちょっと不思議な感じもしますが、昔の山登りが現在とはまったく違う環境だったことを考えると、こうした説が生まれるのも面白いですよね。

④表磐梯=5合目、裏磐梯=10合目と区別されていたから

磐梯山は、表磐梯から登る場合と裏磐梯から登る場合ではその様相がだいぶ異なる山です。

そのため、猪苗代側の表磐梯から登った場合の山頂を5合目、桧原側の裏磐梯から登った場合の山頂を10合目として区別していたという説も。

磐梯山は、見る方向によって山の印象が大きく変わることでも知られています。

「表磐梯」と「裏磐梯」という呼び方があるくらいですから、昔の人たちにとっては、それぞれ別の顔を持つ山として認識されていたのかもしれません。

山の歴史や文化を調べていくと、単純に標高や距離だけでは説明できない「昔からの山との付き合い方」が見えてくるのが面白いところですね。

“合目”は登山のペース配分にも使える?

笠ヶ岳 日本百名山 稜線 尾根

合目表示は、登山中のペース配分を考える目安としても使えます。

たとえば、「次の合目まで頑張ろう」「〇合目まで来たから少し休憩しよう」というように、長い登山道を小さな目標に区切って考えることができます。

山頂までの道のりをずっと考えてしまうと、「まだこんなにあるのか・・・」と気持ちが折れてしまうこともありますよね。

そんなときに、

「まずは3合目まで!」

「次は5合目!」

「あと少しで8合目!」

と区切っていけば、精神的にも歩きやすくなります。

ただし、合目は必ずしも距離や時間を均等に区切ったものではないため、「1合歩くのに30分だから、あと3合で90分」というような計算はできません。

あくまでも、気持ちの上での目安として活用するのがよさそうですね。

まとめ

山の“〇合目”という表記は、1合目から山頂までの道のりを10分割した区切りですが、必ずしも厳密なものではないということが分かりました。

標高を単純に10等分しているわけでもなく、登山道の距離を正確に10等分しているとも限りません。

山の地形や目印、歴史、山岳信仰など、さまざまな事情によって合目が決められている場合があるようです。

そして、今回の疑問のきっかけとなった「磐梯山の山頂=5合目」についても、はっきりとしたひとつの答えがあるわけではなく、いくつかの説が残っていることが分かりました。

こうして調べてみると、普段何気なく見ている「〇合目」という標識にも、その山ならではの歴史や文化が詰まっているんですね。

なので、合目は大体の目安として考えておく程度でいいようですね。

5合目まで来たら、マリオでいう「中間ポイントまで来たぞ!」みたいなイメージで。

そして、次に山へ行ったときには、合目の標識をただ通り過ぎるのではなく、

「どうしてここが5合目なんだろう?」

「この山の合目には、どんな歴史があるんだろう?」

なんて考えながら歩いてみるのも面白そう。

山頂までの距離を教えてくれるだけではなく、その山の歴史や文化を知るきっかけにもなる“〇合目”。

登山中に見つけたら、ちょっと立ち止まって、その数字の意味を考えてみるのもおすすめですよ!

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