「今年は冬場もどんどん山に登っていこう!」ということで、積雪の少ない宮城の山に焦点を当てて選んだ山が“戸神山”です。
戸神山は、山頂から360度の展望が得られるということで、以前から気になっていた山。
太白区秋保に位置している山なので、山形からもほど近く、駐車スペースもあるのでマイカーでアクセスしやすい!
今日は天気が良かったので、太白区秋保にある戸神山へ登ってきました。
目次
戸神山とは
国道48号関山街道と秋保街道の間に位置する尖った山が戸神山です。
溶岩が浸食に耐えて残ったもので、どの方向から見ても尖ったような釣り鐘型の姿をしています。
“戸神”という名前の由来は、“尖り”と“神が宿る山”という意味から来ているんだそう。
遠くから見ると、登りたくなる形状をしている山ですよね。
出典:登山物語
標高 | 504m |
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登山適期 | 通年 |
グレーディング | 体力度:1/技術的難易度:1 |
チェックポイント | 手作りの案内標識/小鳥の巣箱/女戸神山/熊落ち坂/360度の展望/石の祠/手作りのベンチ |
戸神山の登山コース
戸神山は、自治体による登山道の整備などが全く行われていない山です。
登山コース上には、戸神山を愛するボランティアの方による手作りの案内標識がありますが、分岐が多かったり、道が少し分かりにくいところがあるので、地図やGPSで現在地を確認しながら歩くようにしましょう。
戸神山の登山コース出典:親子で楽しむ山登り 全国160山
周回コース | 歩行時間:2時間10分/歩行距離:5.2km |
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周回コースは、時計回り・反時計回りで難易度・時間ともに大差ありません。
女戸神山を周らず、戸神山の登頂だけを目指すなら、表コースの往復が最短ルートになります。
戸神山の登山口~泉口ため池分岐
国道48号を山形から仙台に向かって東進、白沢地区の信号で右折し国道458号に入って間もなく、右手にゲートでふさがれた道があります。
仙台市配水所に行く道で、このゲート前が戸神山登山の駐車場と登山口です。
こんなふうに、ボランティアの方たちが設置してくれた手作りの案内標識があります。
駐車場と言っても、ここは仙台市の水道局が管理する施設の空き地。
くれぐれも門扉の開閉に邪魔にならないように駐車しましょう。
ゲートの脇から内側に入り、車道を進むと見えてくるのが仙台市配水所。
施設の脇を通って戸神山へ向かいます。
ここからしばらくは、作業道跡の平坦な歩道が続きます。
なんでも、観光開発を目的につくられた道が放棄されたのだとか。
水たまりに薄ーく氷が張っています。
こういうのを見ると、童心に返ってツンツンしたくなっちゃうんですよね~
わざと足を置いて滑らせてみたり・・・
一歩一歩、地面を踏みしめる度に、薄く張った氷が割れる音がします。
割れた氷は、まるでガラスの破片のよう・・・
登山者の踏み跡がたくさん!
分県登山ガイド『宮城県の山』によると、道迷いしやすいところがあるということだったのでちょっと不安だったのですが、しっかりトレースがついていると安心感が大きいですよね。
こういう面では、雪があるというのもいいのかも?
これは、町内会で設置した案内標識のようです。
戸神山へは直進ですが、左方向の泉口ため池も気になるところ。
いつか、泉口ため池方面にも行ってみたいです。
泉口ため池分岐~表コース・裏コース分岐
しばらくは、登っているかどうか分からないほど平坦な登山道が続きます。
朽ち果てた姿の木・・・
登山口から15分ほどで、右手が開けていて広場のようになっている、表コース・裏コースの分岐に到着。
手作りの案内標識がとってもにぎやかです。
この広場が第1分岐点になります。
ん?木の枝の先についているあれは・・・??
これは・・・お鍋のフタ!?
でも、どうして??笑
この不思議なものに引き寄せられるように近づいていくと、今度は小鳥の巣を発見。
小鳥だったら、こんなおうちに住みたい!
広場の真ん中には、にぎやかな案内標識がもうひとつ。
戸神山(男戸神山)への最短ルートは右方向の表コースへ。
女戸神山を経由していく場合は、左方向の裏コースに進みます。
今回は初めての戸神山ということで、女戸神山の山頂も踏める裏コースから周回します。
表コース・裏コース分岐~女戸神山分岐
第1分岐ではそのまま直進。
戸神山の西側に回り込み、まずは女戸神山へ向かいます。
途中、道の脇が崩れ落ちている箇所がありますが、注意して歩けば問題ありません。
登山道には、雪があったり・・・
なかったり・・・
道幅が広くて平坦な登山道は、とっても歩きやすい!
自治体による登山道の整備が全く行われていないなんて、とても思えないほどです。
左右に分かれている登山道。
いくつかある分岐点には、このような案内標識が設置されているので、安心して歩みを進めることができます。
緩やかな傾斜を登っていくにつれ、少しずつ積雪量が増えていきます。
戸神山で暮らす住民たちの足跡を発見!
その後をついていきたいくらい、あまりにも可愛らしい足跡です。
やっと少し、登山道に傾斜がついてきました。
こちらの案内標識も、相変わらずのにぎやかさですね。
滑落しないように気をつけます!
女戸神山分岐を右へ少し登り、すぐに右折。
右に180度折れ戻るように尾根道を登っていきます。
登山中、結構な頻度で見つけるのが、動物たちのフン!
しかも、登山道の真ん中で見つけることが多いんですよね~
もしかしたら、“人間にとっての登山道=動物たちにとってのトイレ”になっているのかもしれません。
女戸神山山頂~熊落ち坂
尾根道には三角点がいっぱい!
本当に数えきれないくらいありました。
尾根道を歩き始めてほどなくして、女戸神山の山頂に到着しました。
女戸神山の標高は、男戸神山と呼ばれている戸神山よりも34m低い、470m。
山頂には山頂標識や三角点があるものの、展望はありません。
女戸神山山頂から南に目を向けると、樹々の奥にうっすらと戸神山が見えます。
近いと言えば近いけれど、遠いと言えば遠い・・・
わたしには、ずいぶん遠く感じられます。
女戸神山山頂から南へ下ると、十字路の鞍部に出ます。
下山は、仙台市配水所へ出る表コースを下りますが、戸神山山頂は直進方向。
周回コースと言っても、戸神山の山頂に立つには鞍部から寄り道をしなければならないんですね。
この辺りは、だいぶ雪が深くなっています。
そして、これが戸神山唯一の急登『熊落ち坂』!
実際は写真で見るよりも急登に感じるはず。
結論から言って、男戸神山山頂直前の直登、『熊落ち坂』以外は難所という難所はなかったのですが、この『熊落ち坂』が結構な曲者で・・・
熊でも落ちるほどの坂ですから、人間なんて当然落ちますよね?
雪のある時期ならなおさら!
今日はお天気が良かったせいもあり、積もっている雪の表面がシャーベット状になっていてとても滑りやすい状態。
日陰になっている部分は凍って硬くなっていたりもして、ツルツルで怖い怖い!
張られているロープにお世話になりっぱなしでした。
もしこの『熊落ち坂』にロープがなかったら・・・
滑りに滑りまくって、たくさんのアザを作ることになってしまっていたかも・・・
想像するだけで恐ろしいです。
戸神山山頂
何度も足を滑らせながら急登を登りきると、ようやく戸神山山頂!
数本のアカマツと低い灌木がある山頂には、山頂標識と三角点があり、遠くには船形連峰が見えます。
南側の開けた展望がこちら。
仙台市内の低山や仙台市中心部の高層ビル群が見えました。
北側には船形山や大東岳。
冬場は、樹々が落葉している分だけ展望が良くなっているようです。
石を利用した手作りのベンチは、景色を見ながら休憩できる特等席。
平らになっている石がテーブルみたい!
この間登った千歳山でもいただきましたが・・・
今日も、飽きもせずにしじみスープです。
ひと休みしたら、またあの『熊落ち坂』を歩かなければなりません。
しかも今度は下りで・・・
戸神山山頂~表コース下山
行きはロープを頼りに何とか登ることができた『熊落ち坂』ですが、下りは心配していた通り、全く予想を裏切らず、ロープを頼っても転びました。
転んだのはその一度きりでしたが、その一度が結構な尻もちで・・・お尻にアザができてしまっていました。
どうにかこうにか鞍部まで下り、下山は十字路を東方向へ。
こちらの表コースは、太い杉が集まる杉林。
完全に日陰になっているので、裏コースよりも積雪が多く、傾斜もより急なので滑りやすかったです。
こちらは、表コース上にある水場。
ぽたっ、ぽたっと水が落ちている状態でした。
表コースの一部は、登山道であると同時に杉の伐採時に利用される作業道でもあるので、道迷いに注意が必要です。
杉が倒れているこちらの道は、見たままの通り、NG。
分岐ですが、登りの裏コースにあったような案内標識がないので、進む方向を間違えないように気をつけましょう。
一部は作業道も利用しますが、南東へと続く登山道を探します。
迷いやすいところにはこんな矢印が。
第1分岐点の広場まで来たら、あとは登ってきた道を登山口まで戻るだけ。
ほかの登山者の方々のおかげで、トレースがしっかりついていたので安心でしたが、トレースがつかない冬場以外の時期は不安になってしまうかもしれません。
地図やコンパス、GPSなどで現在地を確認しながら進む!とにかくこの作業が大事ですね。
『熊落ち坂』での転倒や下山道での道迷いの不安がありましたが、山頂からの展望がとにかく最高だった戸神山。
眼下に冬の低山を眺めることができ、満足の山行となりました。
山行記録まとめ
活動時期
2019/01/13(日) 10:56~14:40
軌跡・時間・距離
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