山登りを始めたばかりの頃、登山ウェアを見に登山用品専門店に行ったときのこと。
まず、登山ウェアにぶら下がっているタグの数の多さに驚き、そしてそれらのタグに表示されている機能に驚き・・・
とにかく驚きの連続でした。
普段、洋服を買うときに見るのは、デザインやカラー、サイズ、素材、肌触り、着心地、そして値段などですが、登山ウェアを買うときには、それらにプラスして機能を最重要視しなければなりません。
今回は、登山ウェアに求められるいろいろな機能についてまとめてみました。
あわせて、山登りに山専用のウェアが必要な理由について、改めてしっかりと確認していきたいと思います。
登山ウェアの機能いろいろ
まずは、登山ウェアに必要な機能を一覧にまとめてみますね。
吸汗 | 汗を素早く吸い上げて、身体の表面をできるだけ乾いた状態にする |
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透湿 | 吸い上げた水分をスムーズに通過させ、外に放出しやすくする |
速乾 | 繊維内に水分を留まらせないようにして乾燥しやすくする |
保温 | 繊維の層で身体の熱が外部に逃げないようにする |
冷却 | 透湿速乾の機能をさらに高め、肌に触れる部分に清涼感をもたせる |
防臭 | 繊維に特殊な処理を施し、汗による雑菌の増殖を抑える |
防水 | 雨や雪など外部からの水分が内部に浸透しないようにする |
防風 | 内部に風が入ることを遮り、体温が奪われるのを防ぐ |
撥水 | 素材の表面で水分をはじき、内部に侵入するのを防ぐ |
登山ウェアの基本はレイヤリング。
効果的なレイヤリングのためには、ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤーという、それぞれのレイヤーに必要な機能を選んで、それらを適切に組み合わせていく必要があります。
出典:モンベル
ベースレイヤーに必要な機能
- 吸汗
- 透湿
- 速乾
- 保温・冷却
- 防臭・消臭
下着などのアンダーウェアやTシャツ、タイツやソックスなど、肌に直接触れるのがベースレイヤー。
肌に直接触れる分、山での安全性や快適性に大きく関わってきます。
ベースレイヤーに必要な機能は、生地が肌に触れる部分に汗の水分が留まらないようにする機能。
汗をスムーズに吸収してすぐに発散する生地であれば、体温調節をスムーズに行うことができます。
以上のことから、ベースレイヤーに必要な機能は吸汗・速乾機能。
そのほか、状況に合わせて保温・冷却する機能が必要な場合もあるでしょう。
また、山小屋泊やテント泊など、汗による臭いを軽減するために防臭・消臭機能があるとなお快適ですね。
ミドルレイヤーに必要な機能
- 透湿
- 速乾
- 保温
ベースレイヤーとアウターレイヤーの中間着で、幅広い気温差に対応するためのポイントとなるのがミドルレイヤー。
ミドルレイヤーも、ベースレイヤーと同じ理由で、水分を素早く放出する機能が必要です。
ミドルレイヤーは、季節や気温、天候など、さまざまな状況に対応しなければならないので、熱を逃がさないように保温する機能も必要です。
アウターレイヤーに必要な機能
- 透湿
- 防水
- 防風
- 撥水
レイヤリングの一番外に着る登山ウェアが、アウターレイヤー。
外からの雨や風の影響が中に及ばないように、防寒着、防風着、そして雨天時のレインウェアの機能を兼ねた機能が必要です。
アウターレイヤーに理想的な素材として“ゴアテックス”がありますが、これは外からの雨や風を防ぎ、中の湿気を外に放出させる機能をもっています。
出典:モンベル
さまざまなデザインやカラーがあり、おしゃれも楽しみたい登山ウェアですが、最優先すべきは登山ウェアとしての機能。
必要な機能を上手に組み合わせて、安全で快適な山登りにしましょう!
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