
登山スタイルの王道とも言える山シャツ。
中でもチェック柄の山シャツは、登山ウェアの定番とも言える存在ではないでしょうか。
アウトドアショップへ足を運ぶと、チェック柄のシャツの多さにびっくりすることも。
個人的には、無地のシャツのほうが合わせやすくて好きなのですが、チェック柄の山シャツも「The 山!」という感じで素敵ですよね!
ところで、山シャツにチェック柄が多いのには、何か理由があるのでしょうか?
単純に「昔から山ではチェック柄を着ていたから」というだけなのか、それとも、山で着るウェアとして何か実用的なメリットがあるのでしょうか?
今回は、その真相に迫ってみようと思います。
近代登山の発祥がヨーロッパだったから?

現在、わたしたちが趣味や娯楽として楽しんでいる山登りは、明治時代にヨーロッパから伝えられたものだと言われています。
もちろん、山岳信仰としての山登り(修験道など)や仕事としての山登り(マタギなど)は、それ以前の日本でも古くから行われていました。
ですが、現在のような、信仰や仕事とは関係なしに山の自然を楽しむ意図での山登り(近代登山)は、ヨーロッパからもたらされたものだったようです。
そして、そのとき同時に広まったとされているのが、チェック柄の山シャツ。
チェック柄と言えば、代表的なデザインとしてタータンチェックがありますが、このタータンチェックはスコットランドの伝統的な柄です。

スコットランドは、イギリスの中でもかなり山深い地方として知られていますよね。
ヨーロッパの人たちが山登りをするときに、チェック柄の山シャツを着ていたことは簡単に想像できますし、その文化を日本人が取り入れたことは想像に難くありません。
チェック柄の山シャツは、ヨーロッパから日本へと伝わったクラシカルな登山スタイルだということですね!
ただ、ここで少し注意しておきたいのが、「近代登山がヨーロッパから伝わったこと」と「チェック柄の山シャツがそのまま同時に日本へ伝わったこと」は、必ずしも同じ意味ではないということ。
現在の登山ウェアとしてチェック柄が定番になった背景には、昔の登山スタイルやアウトドア文化、山で使われてきたシャツのイメージなど、いくつかの要素が重なっていると考えたほうがよさそうです。
↓下の写真は、昭和30年の登山スタイル。
出典:ヤマレコ
山シャツはチェック柄ではないものの、山シャツが山登りの定番になっていたことは間違いなさそうですね。
昔の登山スタイルを見ていると、現在のように高機能な化学繊維のウェアが当たり前だったわけではありません。
シャツを着て、その上にセーターやジャケットなどを重ねる。
そんな昔ながらの登山スタイルには、今の登山ウェアとはまた違った「山らしさ」があります。
そして、現在の山シャツにも、そのクラシカルな雰囲気がしっかりと受け継がれています。
速乾性や吸汗性などの機能は現代の素材によって大きく進化していますが、見た目は昔ながらのシャツスタイル。
この「昔ながらの山っぽさ」と「現代的な機能性」の組み合わせが、山シャツの魅力なのかもしれませんね。
山シャツにチェック柄が多い理由は?
チェック柄の山シャツがクラシカルな登山スタイルだということは分かりましたが、今もなお山シャツにチェック柄が多いのはどうしてなのでしょう?
考えられることを2点挙げてみますね!
①登山中の汚れが目立ちにくいから

無地の場合は汚れが目立って気になりますが、チェック柄の場合は汚れが柄と同化して目立ちにくいですよね。
同じ服を着続けなければならない縦走登山などでは、登山中の汚れが目立ちにくいチェック柄の山シャツが重宝しそうです。
登山中は、どうしてもウェアが汚れます。
土の上に座ったり、木の枝に触れたり、雨上がりの登山道で泥がはねたり・・・。
とくに、テント泊や縦走などで何日も山に入る場合は、街中のように毎日着替えるわけにもいきません。
そんなとき、多少の汚れが目立ちにくいチェック柄は確かに便利そう。
もちろん、チェック柄なら汚れが付かないわけではありません。
あくまでも「汚れが視覚的に目立ちにくい」というだけですが、山で使うウェアとしては、このちょっとした違いが意外と大きいのかもしれませんね。
②視認性が高いから

これは、柄の大きさや色の組み合わせにも左右されることですが、無地よりもチェック柄のほうが目に付きやすいということが考えられます。
幾何学模様という自然界にはない柄ということで、遭難時に発見されやすかったり、狩猟中の誤射を防ぐことができるとも言われているようです。
本当に視認性が高いのかどうかは・・・ハッキリ言って分かりません。
ただ、山の中では「人間が身につけていると分かりやすい色や柄」というのは、確かに重要なポイントですよね。
森の中には、緑、茶色、グレーなど自然界に多い色がたくさんあります。
その中で、赤やオレンジなどの目立つ色を身につけていると、人間の存在を見つけやすくなることがあります。
一方で、チェック柄だから必ず視認性が高いというわけではありません。
細かなチェック柄や自然に溶け込む色合いの場合は、むしろ周囲に馴染んでしまうこともあります。
遭難時の視認性を重視するのであれば、柄だけではなく、ウェアそのものの色や明るさ、レインウェアなどのアウターの色も考えておいたほうがよさそうです。
チェック柄には「山らしさ」という魅力も
ここまで、チェック柄の山シャツが多い理由をいろいろ考えてきましたが、結局のところ、実用面だけでは説明できない部分も大きいのではないでしょうか。
だって、チェック柄って、単純に「山っぽくてカッコいい」んですよね!
登山用品店でチェック柄のシャツを見ると、
「これを着て山に行ったら、絶対に山っぽい!」
「なんだか昔ながらの登山スタイルみたいで素敵!」
・・・と思ってしまう。
これは、長い間チェック柄のシャツがアウトドアや登山のイメージと結びついてきたことも関係しているのかもしれません。
つまり、チェック柄そのものが「山」「アウトドア」「自然」を連想させるデザインになっているんですよね。
機能性だけを考えれば、無地の高機能ウェアでももちろん問題ありません。
それでもチェック柄の山シャツを着たくなるのは、山登りが単なる運動ではなく、ウェアを選んだり、山の雰囲気を楽しんだりすることも含めて「趣味」だからなのかもしれません。
現代の山シャツは「見た目だけ」じゃない!
昔ながらの山シャツというと、厚手の生地で、どちらかというと防寒を目的としたイメージがありますが、現在の山シャツは素材もかなり進化しています。
吸汗速乾性のある化学繊維を使ったものや、ストレッチ性のある素材を使ったものなど、見た目はシャツでも中身はしっかり登山ウェア。
行動中に汗をかいても乾きやすかったり、腕を動かしやすかったり、紫外線対策ができたり・・・。
昔ながらの「山シャツらしいデザイン」を残しながら、現代の登山に必要な機能を取り入れているんですね。
そのため、山シャツを選ぶときは柄やデザインだけでなく、
- 吸汗速乾性があるか
- ストレッチ性があるか
- 動きやすいサイズ感か
- 季節に合った生地の厚さか
- レイヤリングしやすいか
なども確認しておくと安心です。
「チェック柄だから山シャツ」というわけではなく、あくまでも登山で快適に使える機能性があって、そのうえで好きなデザインを選ぶ。
これが一番ですよね。
山シャツはチェック柄じゃなくてもOK!
ここまでチェック柄について熱く語ってきましたが、もちろん、山シャツ=チェック柄ではありません。
無地の山シャツもたくさんありますし、ストライプ柄やそのほかのデザインもあります。
個人的には、無地のほうがボトムスやアウターと合わせやすく、普段着としても使いやすいので好み。
山スカートやカラフルな登山パンツなど、ボトムスに特徴のあるアイテムを合わせる場合も、無地の山シャツなら全体をまとめやすいですよね。
一方で、チェック柄は一枚で着ても存在感があります。
シンプルなパンツと合わせるだけでも「山に来た!」という雰囲気が出るので、登山初心者が山登り気分を盛り上げるアイテムとしてもおすすめ。
ウェア選びに正解はありません。
安全性や機能性をしっかり確保したうえで、自分が「これを着て山に行きたい!」と思えるものを選ぶのが一番楽しいと思います。
以上、登山ウェアの定番、チェック柄の山シャツについての考察でした。
果たして真相に迫りきれたのか、いまいち自信がありませんが・・・
チェック柄が山シャツの定番になった背景には、ヨーロッパの登山文化や昔ながらの登山スタイル、そして汚れの目立ちにくさやデザイン性など、いろいろな要素が重なっているのかもしれません。
何より、山でチェック柄のシャツを着ていると、それだけで「山登りをしている!」という気分が盛り上がりますよね。
豆知識程度にどうぞ!

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