出典:『ワンダーフォーゲル 2017年10月号』
山登りで利用する地図には、“登山地図”と“地形図”の2つがあります。
登山地図としてよく知られている、旺文社の『山と高原地図』は、主要山岳エリアの約1万5千もの山々を網羅し、毎年更新されているので、最新の情報を手に入れることができるのが特徴。
一方、国土地理院が発行している地形図は、全国を網羅していて、地元の里山など、マイナーな山に行くときも使えるもの。
登山地図と地形図、それぞれにメリット・デメリットがあるので、状況に合わせて両方の地図を上手に活用していく必要があります。
今回は、登山地図と地形図の違いや特徴、これらの地図の入手方法について見ていきます。
山登りの地図、どんな地図を選べばいい?
おすすめされているのは、登山地図と地形図の両方を使うこと。
山登りの際にはなるべく荷物を少なくしたいので、見慣れた登山地図の『山と高原地図』だけでいいのでは?と思ってしまいますが、登山のプロから言わせるとそうではないようで・・・
なぜなら、登山地図と地形図にはそれぞれメリット・デメリットがあって、両方の地図を使うことでお互いの欠点を補い合えるからなんだそう。
では、それぞれの地図にはどんなメリット・デメリットがあるのでしょう?
あわせて、地図の入手方法についてもまとめておきますね。
登山地図のメリット・デメリット
登山地図には、山小屋や水場の場所、コースタイムなどが記されているので、ガイドブックとしての役割や山行計画が立てやすいというメリットがあります。
ですが、登山地図の縮尺は5万分の1のものが多いので、等高線が見づらく、迷ってしまった場合に細かい地形をつかみづらいというデメリットが。
登山地図のメリット
- 登山道が見やすい
- 標準コースタイムが分かる
- 水場が分かる
- 道迷いしやすい場所や目印になる場所が分かる
- 危険箇所や難所に注記がある
- 駐車場やバス停の情報がある
- 広いエリアがカバーされている
- 情報が更新されている
- 防水紙でできている
登山地図のデメリット
- 文字などの情報が多く、地形が読みづらい
- 人気のあるエリアに限られる
登山地図の入手方法
登山地図のシェアNo.1である『山と高原地図』は、大型書店やアウトドアショップの書籍コーナーに置かれていることが多いですね。
ただ、近くの山岳エリアや人気のある山岳エリアに限定して置かれている場合があるので、ほしい山岳エリアが見つからないことも。
事前に確認してから出向くか、ネットで購入するのがおすすめです。
地形図のメリット・デメリット
一方、1万分の1、2万5000分の1という縮尺の地形図は、等高線の開きが見やすく、傾斜を予測したり、細かい地形をつかみやすいというメリットがあります。
ですが、情報がシンプルゆえ、地図読みにある程度の習熟が必要になってくるというデメリットが。
地形図のメリット
- 情報がシンプルで読図しやすい
- 細かな地形が読み取れる
- 迷ったときや雪山など、地形を読んで行動するときに使いやすい
- 日本全国がカバーされている
地形図のデメリット
- 使いこなすには読図の知識が必要になる
- 古い情報が残っている場合がある
地形図の入手方法
地形図は、大型書店やアウトドアショップの一部でも販売されているようですが、“日本地図センター”のホームページから購入するのが確実です。
国土地理院のウェブサイトでは、電子地形図を購入することもできます。
これで、登山地図と地形図の違いや特徴、それぞれのメリット・デメリットが分かりました!
ですが、いざ地形図に向き合ってみると、やっぱり難しそう・・・
地形図が読めるようになると登山の幅も広がると思うので、毛嫌いせずに読図の勉強をしていきたいと思います。
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