
初めて山登りしたとき、ちょっと驚いたのと同時に素敵だな~と思ったのが、登山者同士のあいさつ。
登山道でほかの登山者とすれ違うとき、「こんにちは」とあいさつを交わしますよね。
見知らぬ人とあいさつを交わすなんて、日常生活ではなかなかない光景だと思いますが、山でのあいさつはとても気分がいいものです。
「こんにちは」「どちらからですか?」「もう少しで山頂ですよ」などと笑顔で声をかけ合うと、気持ちだけでなく体まで軽くなるような感じがします。
特に、登りで息が上がっているときに、下山してくる人から「あと少しですよ!」なんて声をかけてもらうと、それだけで頑張れるもの。
逆に、自分が下山するときには、これから山頂を目指す人に「気をつけて」と声をかける。そんな小さなコミュニケーションも、山登りの楽しみのひとつだと思います。
また、山でのあいさつには、単なるコミュニケーションだけではなく、安全面でも意味があります。
お互いに声をかけ合うことで、登山者の存在を確認しやすくなりますし、道迷いや遭難など、万が一のときに「さっきあの人とすれ違った」という情報が手がかりになることもあります。
山登りでは、登山者みんなが気持ち良く山で過ごすために守るべきルールやマナーがあります。
今回は、優良登山者になるために山登りで守るべきルールやマナーをまとめてみたいと思います!
山で人と会ったらあいさつを交わす
冒頭でも触れたように、あいさつは登山者同士が笑顔になれる魔法の言葉。
登山道で人とすれ違ったら、基本的には「こんにちは」と声をかけるようにしたいものです。
下りてくる人に「山頂の景色はどうでしたか?」などたずねると、いろいろ情報がもらえることがあります。
「山頂は風が強いですよ」「この先、少しぬかるんでいますよ」など、実際にその場所を通ってきた人だからこそ分かる情報を教えてもらえることも。
それから、登山者同士がお互いに声をかけ合うことで、どんな人が山登りをしていたかを覚えてもらうことができ、道迷いや遭難など、万が一のときの情報源になります。
ただし、すべての登山者に無理に話しかけなければいけない、というわけではありません。
道幅が狭かったり、危険な場所だったり、相手が休憩中だったりする場合は、安全を優先しましょう。
山では、知らない人同士でも自然に「こんにちは」と言えるのがなんとも気持ちいいもの。 あいさつひとつで、お互いに気持ちよく山を歩けるので、ぜひ実践したいマナーです。
すれ違うときは基本的に“登り優先”
狭い登山道でほかの登山者とすれ違うときは、基本的に登りの人を優先して道を譲るのがルールになっています。
この理由は、
- 山では登りが辛いため
- 下りのほうが登りの人に気づきやすいため
などがあるようですが、山頂での景色を味わい終わった人が止まって、頑張って登っている人に道を譲るというのは思いやりのマナー。
登りは呼吸も乱れやすく、足元を確認しながら一歩一歩進んでいるため、途中で立ち止まったり、歩くペースを変えたりすると負担になることがあります。
そのため、下山する側が安全な場所で立ち止まり、登ってくる人を先に通すというのが基本です。
ただ、これはあくまでも基本なので、どんな状況でも必ず守らなければいけないというような絶対のルールではありません。
登りが大人数のグループの場合などは、全員が登り終わるまで時間がかかってしまうので、下りが優先されることも。
このような例外もあるので、状況に合わせて臨機応変に対応しましょう。
例えば、登り側にとっては進みやすくても、下り側に安全に待てる場所がない場合があります。
逆に、少し先に広い場所が見えているなら、無理にその場で止まらず、そこまで進んでから譲り合うほうが安全なこともあります。
「登り優先だから絶対に動かない!」ではなく、お互いに安全にすれ違える場所を探すことが大切ですね。
また、登山道のすぐ側が崖になっているような狭い道では、山側にいる人が山側を背にして待つようにするのがポイント。
出典:YAMAP
待つときは、通り過ぎる人にバックパックがぶつからないように気をつけて!
特に岩場や鎖場などでは、無理にすれ違おうとすると転倒につながる危険があります。
「ちょっと待てば安全に通れる」という場面では、焦らず譲り合うことが大切。
山では、早く進むことよりも安全に進むことが最優先です。
山の植物は採らずに“撮る”
山は、さまざまな動植物たちの大切な住処。
人間が足を踏み入れるだけで大きな負荷がかかっているので、自然保護を心がけることは基本中の基本です。
花や野草などを摘んだり、野生動物へ餌をやったりするのは厳禁です。
わたしたち人間が動植物たちの住処にお邪魔しているわけなので、あるがままの自然を傷つけることのないようにしたいものです。
山でしか見られない高山植物を見かけたら、採るのではなく、写真に“撮る”ようにしましょう。
「せっかく山まで来たんだから、記念に一輪だけ……」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、その花を楽しみにしているのは自分だけではありません。
次にその場所を訪れる登山者や、そこで暮らす生き物たちのためにも、見つけたときの状態をそのまま残すことが大切です。
また、写真を撮るときも、登山道から外れてほかの部分に足を踏み入れるのはNG。
出典:YAMAP
土が踏み固められてしまうと、植物が育ちにくくなってしまうためです。
「写真を撮りたい!」という気持ちはとてもよく分かりますが、ベストショットを求めて登山道の外へ出てしまわないように注意したいですね。
特に高山植物などは、厳しい環境の中で生育しているため、ちょっとした踏みつけが大きなダメージになってしまうことも。
写真を撮るときは、自分の足元と周囲の植物を確認してから撮影するようにしましょう。
トレッキングポールの先端で土を掘り返してしまわないように、なるべくキャップをつけるようにするといいですね。
野生動物を見つけたときも、近づきすぎたり、追いかけたりせず、少し離れたところからそっと観察するのが基本。 「見る・撮るだけで、持ち帰らない」を心がければ、山の自然を次の世代にも残していけるはずです。
ゴミは出さない&ゴミは持ち帰る
これは何も山だけの話に限ったことではありませんが、自分で出したゴミは自分で持ち帰ることが最低限のマナーです。
そしてその前に、ゴミを出さないようにすることが大事。
山に入るときは、ゴミになりそうなものはなるべく持ち込まないように工夫しましょう。
- 行動食やサプリなどの個包装や外箱は事前に捨てておく
- 大袋入りのお菓子は必要な分だけ小分けにして持っていく
行動食などは、ジッパー付きのビニール袋や広口ボトルにまとめておくといいですね。
ジップロックとナルゲンボトルがおすすめです。

それから、知らないうちにポケットなどからゴミが落ちることのないよう、ゴミが出たらジッパー付きのビニール袋に入れ、強風で飛ばされることのないようにしっかり管理しましょう。
特に山では風が強い場所もあるので、レシートやお菓子の袋、ティッシュなどの軽いゴミは意外と簡単に飛ばされてしまいます。
「あとでまとめて捨てよう」とポケットに入れておくのではなく、ゴミを入れる場所を最初から決めておくと安心です。
ほかの人が落としたゴミを見つけたら“拾って帰る”を心がければ、山にゴミが増えていくこともなくなっていくはずです。
もちろん、無理をして危険な場所までゴミを拾いに行く必要はありません。
手が届く場所など、安全に拾えるものだけで十分。
自分のゴミを持ち帰ることに加えて、余裕があれば山に落ちているゴミもひとつ拾う。そんな気持ちを持って山を歩けたら素敵ですね。
そして、山小屋や登山口などにゴミ箱が設置されている場合も、そこに何でも捨てていいとは限りません。 施設ごとのルールを確認して、決められた方法で処分することも忘れずに。
落石をさせない&させたら知らせる
山登りでは落下物に注意が必要。
例えば、足を踏み外したり滑らせたときに起きる落石などですね。
特に斜面や岩場では、自分が思っている以上に小さな石が簡単に動いてしまうことがあります。
落ちた石はどんどん加速しながら下へ転がっていくため、小さな石でも大きな事故につながる可能性があります。
まずは、落石を起こさないように細心の注意を払うことが大事ですが、落石をさせてしまったり、目にした場合は、「楽(らく)!」と大きな声で叫んで周りに知らせるようにします。
出典:YAMAP
「落!」と声に出して知らせることで、下にいる登山者が身を守るための行動をとることができます。
自分が落石を起こしてしまった場合は、「まあ小さい石だから大丈夫」と思わず、必ず周囲に知らせることが大切です。
また、岩場などでは前を歩いている人との距離を少し空けることもポイント。
自分の足元から石が転がってしまった場合、すぐ後ろに人がいると避ける時間がありません。
急いでいるときほど、周囲をよく確認しながら慎重に歩きたいものです。
そのほか、バックパックのサイドポケットから水筒やペットボトルが転がり落ちるのもよくある落下物の例。
岩場などでふとかがんだ拍子に誤って落ちることがないよう、ベルトでしっかり固定するなど気をつけたいものです。
登山道では、自分の荷物が誰かにとって危険なものになってしまうこともあります。
バックパックのファスナーがきちんと閉まっているか、トレッキングポールや水筒などがしっかり固定されているかなど、休憩のたびに装備を確認する習慣をつけておくと安心ですね。
登山道を外れない&無理に近道をしない
山では、「こっちのほうが歩きやすそう」「この道を行ったほうが近そう」と思っても、むやみに登山道を外れないことが大切です。
登山道は、多くの人が安全に歩けるよう整備されている道。
そこから外れると、道迷いの原因になるだけでなく、植物を踏み荒らしたり、崩れやすい斜面に入り込んでしまったりする危険があります。
特に分岐では、標識や道標をしっかり確認しましょう。 「たぶんこっち」で進まず、少しでも不安を感じたら地図やGPSで現在地を確認することが大切です。
また、先を歩いている人についていけば大丈夫と思ってしまうのも危険。
自分自身でもルートを確認しながら歩くようにしたいですね。
山小屋や休憩場所では譲り合う
山小屋やベンチなどの休憩スペースは、たくさんの登山者が利用する場所です。
長時間休憩したい気持ちも分かりますが、混雑しているときは、ほかの登山者も利用できるよう譲り合う気持ちを忘れないようにしたいもの。
登山道の途中で休憩するときも、道の真ん中にザックを置いたり、複数人で道をふさいだりしないように注意しましょう。
特に疲れてくると、「ちょっとここで座りたい」と思ってしまいますよね。
でも、ほんの少し場所を移動するだけで、ほかの登山者が安全に通れることがあります。
「自分が休みやすい場所」ではなく「みんなが安全に通れる場所」を選ぶことも、山での大切なマナーです。
以上、山登りで守るべきルールやマナーについてのお話でした。
山でのルールやマナーって、難しい決まりごとがたくさんあるように感じるかもしれません。
でも、基本にあるのは「自分も相手も、そして山の自然も気持ちよく過ごせるようにする」というシンプルな気持ちなのだと思います。
優良登山者は、自然と人を思いやることができるもの。
あいさつをする、道を譲る、ゴミを持ち帰る、植物を大切にする、危険を見つけたら周りに知らせる。
ひとつひとつは小さなことですが、登山者みんながこうしたことを意識すれば、山はもっと気持ちよく、もっと楽しい場所になるはずです。
わたしも、ただ山頂を目指すだけではなく、周りの人や山の自然にも気を配れる「優良登山者」を目指していきたいです!

Rumiさん
はじめまして。
山道具ブログを書いてます『目目連』と申します。
最近はどーも山人口激増につれて、マナーの悪い人も目立ちますね。
いくら『登り優先』でも、鎖場通過中などは、さすがに譲って欲しいです。
こう言う場面も何度か経験しました。
しっかり注意しましたけどね。
私も同様に、去年ちょっと違う視点からマナーについてレポってます。
やっぱり、自分だけじゃ無いと言うことをしっかり頭に入れて行動したいものですよね。
目目連さん、はじめまして。
コメントありがとうございます。
おっしゃられているように、登山ブームということもあってか、にわか登山者が増えているような印象はあるかもしれませんね。
せっかく山の自然を楽しんでいるのですから、登山者同士がお互い気持ち良く山で過ごせるようにしたいものです。
わたしもほかの登山者の方に迷惑をかけないように、ルールやマナーをしっかり頭に入れて山登りを楽しんでいきたいと思います。