山登りをする前に提出する“登山届”。
これまでは任意のイメージが強かった登山届ですが、現在ではもはや山登りの必須事項とまで言えるくらい、義務化の動きが進んでいますよね。
いざというときのため、日帰り登山でも必ず提出しておきたいものですが、登山届とは一体どのような形式のもので、どんなふうに提出すればいいのでしょう?
今回は、登山届の書き方の具体例と提出方法について確認してみたいと思います!
登山届とは?提出は必須なの?
“登山届”とは、誰が、どのコースで、どのような装備を持ち、いつ下山するかなどを記入する書類のこと。
“登山計画書”や“入山届”と呼ばれることもあります。
登山届は、登山許可を得るものではなく、万が一事故があった場合に身元を確認するため、そして、足取りをつかんで捜索活動をしやすくするためのもので、登山口を管轄している警察署に届けられます。
登山届の提出は現時点ではまだ任務のようですが、義務化の動きも進んでいますし、何より山行をより安全にするために必須事項として捉えておきたいところです。
登山届は誰に提出するの?
登山届は、登山口にある専用ポストへ投函します。
これで提出終了!ではなく、それとは別に、家族や友人などにも渡しておきます。
下山予定時になっても、登山届を受け取った家族や友人に登山者から下山報告がない場合、警察に通報するなどの行動をとらなければならないからです。
なので、登山届は最低2部必要だということなんですね。
登山届にはどんな情報を記入する?具体的な書き方は?
登山届は、遭難が発生した場合など、捜索や救助の重要な手がかりになります。
なので、そのために必要な情報を書き込んで提出します。
具体的な書き方についてですが、実は決まった形式というものがないんだそう。
登山口に備え付けてある用紙に記入しても、冊子などにあるフォーマットをコピーして記入してもOK。
ネット上でこのようなPDFをダウンロードして使用することもできます。
⇒“登山計画書(登山届)”ワンダーフォーゲル編集部ブログより
登山届に記入しておくべき最低限の情報としては、以下の8つ。
登山届に記入する情報①団体名
とくにない場合は記入しなくてもOK。
登山届に記入する情報②目的の山域・山名
「北アルプス・槍ヶ岳」など、山のエリアと山の名前を記入します。
登山届に記入する情報③入山日・下山日
下山日は予備日をカウントして記入します。
行程が数日にわたる場合は、予備日を設けておきます。
登山届に記入する情報④登山届提出先の名称と電話番号
登山届を誰に渡しているかを知らせます。
家族や友人などの氏名、電話番号、住所を記入します。
登山届に記入する情報⑤共同装備
遭難した際、捜索側にどんな装備を持っているか分かるようにするため、雨風をしのぐツェルトやテント、暖をとるストーブや燃料の有無を記入します。
デジタル簡易無線や衛星電話などがある場合も記入します。
登山届に記入する情報⑥ルートマップ
地形図の該当範囲をコピーして貼り付けるか、ルートを手書きしてもOK。
登山届に記入する情報⑦日程
出発地点、分岐、目的地を時刻とともに時系列で記入します。
重要なのは、どのコースを歩くかを知らせることなので、時刻はあくまで目安でOK。
登山届に記入する情報⑧参加者
メンバー全員の個人情報を記入します。
チーフリーダー(CL)やサブリーダー(SL)を決めておき、分かるようにしておきます。
- 氏名
- 生年月日
- 血液型
- 性別
- 年齢
- 住所
- 電話番号
- 緊急連絡先の氏名
- 緊急連絡先の電話番号
個人情報を記入することに抵抗がある人もいるかもしれませんが、迅速な捜索には不可欠なのでしっかり記入するようにしましょう。
ちなみに、ポストに投函した登山届はどうなるのかというと・・・
東京都の場合、登山のハイシーズンは週2回ほど警察署員が回収し、警察施設で施錠設備のあるロッカーで保管。
その後、焼却など復元できない方法で廃棄しているそうです。
個人情報はしっかり管理されているので安心ですね。
登山届はインターネットでも提出できる
登山届は、より安全な山行のために必要不可欠なものですが、正直、面倒に感じたり、時間がかかったりというのも事実。
ですが、現在はインターネットでも登山届を簡単に出せるようになったので、気軽に提出してから山登りに出発する習慣をつけたいものです。
こちらは、オンラインで登山届を提出することができるサービスです。
⇒Compass(コンパス)
そのほか、それぞれの地方自治体のホームページでも登山届の電子申請を受け付けているので、ぜひ有効に活用していきたいですね。
⇒オンラインで登山届や下山届ができる“コンパス”とは?山行計画をシェアできてポイントも貯まる!
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