山登りをしていると、ときどき見かけるこのような積み石。
“ケルン”と呼ばれているものです。
こんな絶妙なバランスで、雨風の中よくも崩れないもんだな~と変に感心してしまいますが、この“ケルン”と呼ばれる積み石、一体何なのか、どんな意味があるのか、ご存知ですか?
山頂に積み石を置くことは、祈願や記念の意味を持つことがあります。登山者が山頂に到達したことを記念し、自分の安全や健康を祈るために積み石を置くことがあります。
わたしはこれまで、このような積み石を山頂でしか見たことがないので、登頂した喜びを誰かがこのような形で表現したのかな?程度に思っていたのですが、どうやらこの積み石、見られるのは山頂だけではないらしいんです。
積まれた石の数や高さに違いはあれ、登山道や分岐点などでも見られるそうで・・・
今回は、この積み石“ケルン”について調べてみたいと思います!
ケルンとは
ケルンとは、天然には生じない、人によって積み上げられた積み石のことを指します。
cairn という綴りの英語で、ケルンのほかに、ケアン、ケアーンなどとも呼ばれることがあるそうですが、登山用語としては“ケルン”と呼ばれることが一般的ですね。
石を円錐形に積んで目印や道標にしたもので、通常、山頂や稜線などで見られるようです。
山頂付近のほかには、登山道や分岐点などに積まれていることも。
登山者が迷わないように道案内をするために設置された標識とされています。登山道が分かりにくい場所や曲がり角などに積み石を置くことで、登山者が正しい道を辿る手助けとなります。
通常は木や岩に取り付けられており、山岳地帯での登山やトレッキングにおいて重要な役割があるのでしょう。
それから、特殊なケースとしては、遭難地点に供養のための慰霊碑として作られる場合もあるとか。
ただし、ケースとしては少ないと言えるでしょう。遭難者の慰霊碑として積まれることもあるかもしれませんが、一般的には遭難を避けるための目印として積まれることが多いです。
また、山は古来より神聖な存在とされており、積み石を置くことで山の神に捧げ物をすると考える人もいます。これは登山者が山に敬意を払うための行為なのかもしれません。
本来は道標のはずなのに・・・?
登山道で分かりにくい分岐点の目印として作られていることもある、積み石“ケルン”ですが、中には何の意味もない場所にいたずらに積み上げられているものもあるらしいので、信頼性はかなり薄いと言えそう。
「登山の安全をお祈りして・・・」というような感じで、まるで積み木を積み上げるような軽いイメージでケルンらしきものを作っていく登山者もいるそうです。積み石があることは、登山の醍醐味や山の神秘性を感じることができる要素の一つと言えます。
しかし・・・。
安全をお祈りするのはいいですが、これがもし崩れてしまったら・・・と考えると、安全どころか危険です!
本来の道標としての役割が失われないためにも、面白半分でケルンを作るようなことはやめたほうがいいかもしれませんね。
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