自然現象や生物の様子から天気の変化を予測する観天望気。
⇒天気を予測するのに役立つ観天望気とは?科学的根拠はある?
山の天気は変わりやすいので、登山中に雲の様子をみて天気を予測できたら便利ですよね。
そこで今回は、山登りに役立つ観天望気として、雲から予測する山の天気を一覧にまとめてみました。
大雨や雷などにつながるような要注意の雲もたくさんあるので、ぜひその雲の形状を頭に入れて、山登りに役立ててみてくださいね!
雲の種類いろいろ
出典:http://kokoten.raindrop.jp/
まずは、天気の行方を大きく左右する雲の種類について、簡単に見ていきましょう。
雲の種類は大きく分けてこちらの2つ。
- 層
- 積
“層”は厚みがなく一様に広がる形状をもつ雲で、“積”は厚みがあり塊状に発達する雲を指します。
大雨や雷などをもたらす雲は、“積”と呼ばれる種類の雲。
では実際に、雲から予測できる観天望気についてまとめていきますね!
観天望気①乱層雲(雨雲・雪雲)が現れたら典型的な雨模様・雪模様
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一様に灰色をした雲が低い位置の空全体を覆う、乱層雲(雨雲)。
雨雲または雪雲と呼ばれる乱層雲が現れたら、典型的な雨模様や雪模様になる前兆です。
観天望気②巻層雲から巻積雲(うろこ雲)に変化したら天気が崩れる兆し
空全体を覆うように現れる薄い雲、巻層雲。
巻層雲が太陽や月にかかると、光の輪のようなもの=暈(かさ)ができることがあります。
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この状態から、雲がうろこ状に固まったものが巻積雲(うろこ雲)です。
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巻積雲は空気が乱れている状態で発生するので、天気が崩れる前兆になります。
初めのうちは少なかった巻積雲が短時間で空全体を覆うようになったり、うろこ状の雲の塊が大きくなって低く下がってきたら注意が必要です。
観天望気③登り竜のような巻雲が現れたら天気が崩れる兆し
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巻雲には、晴巻雲と雨巻雲という2種類があります。
どちらの巻雲か判断するのはなかなか難しいですが、登り竜のように天に向かって舞い上がっている巻雲は雨巻雲と呼ばれ、雨巻雲が現れると天気が崩れる前兆です。
観天望気④高積雲(ひつじ雲)が広がってきたら天気が崩れる兆し
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高積雲は、別名、ひつじ雲とも呼ばれる雲で、うろこ雲として知られている巻積雲の雲の塊が大きくなったものになります。
巻積雲が純白であるのに対して、高積雲は雲の底が灰色になっています。
高積雲は巻積雲同様、空気が乱れている状態で発生するので、天気が崩れる前兆になります。
観天望気⑤朝にブロッケン現象が現れたら天気が崩れる兆し
背後にある太陽の光がその影を雲海に映し、空気中の霧の粒によって光の輪ができる現象がブロッケン現象です。
この現象が朝に現れたら、天気が崩れる前兆です。
観天望気⑥レンズ雲(笠雲)が現れたら強風の兆し
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巻積雲や高積雲などによく見られるレンズ雲は、上空の風が強いときに現れます。
山が笠をかぶっているように見えるので、別名、笠雲とも呼ばれています。
このような雲が現れるときは、強風が吹き荒れていたり、悪天候の場合が多くなります。
観天望気⑦ちぎれ雲が現れたら突然の天候悪化に注意
雲がちぎれたような形をしているのが、ちぎれ雲。
とくに濃い灰色の雲の下にちぎれ雲ができている場合は、天気が崩れる前兆です。
速いスピードで流れながら激しく形を変えるときは、雷雨や突然の悪天候に注意が必要です。
観天望気⑧高層雲と層積雲のサンドイッチ型現象が現れたら突然の天候悪化に注意
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すりガラスをかざしたときのような高層雲が空全体を覆い、その下に層積雲が発達して上がってくるようなサンドイッチ型現象が現れたら、数時間後に雨になることがあり、天候が悪化する前兆になります。
※写真は高層雲。
観天望気⑨積乱雲(入道雲)が現れたら突然の天候悪化に注意
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別名、入道雲と呼ばれる積乱雲は、落雷や大雨、突風、雹(ひょう)など、激しい気象現象をもたらす危険な雲です。
風上側に積乱雲が発達していくのが見られたら、少しでも安全な場所へすぐに避難しましょう。
観天望気⑩かなとこ雲が現れたら突然の天候悪化に注意
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入道雲と呼ばれる積乱雲が最も発達した状態が、かなとこ雲。
雲の頂上部分が広がって平らになっている姿が、金属加工を行うときに用いる作業台(金床)に似ていることから、かなとこ雲と名付けられました。
かなとこ雲は、発達した積乱雲の上にできる雲で、雷や突風、強風をもたらす危険な雲です。
積乱雲、かなとこ雲ともに落雷の可能性があるので、稜線上にいるときは素早く避難するようにしましょう。
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